【Music Reviews】「ポップの女神、永遠のスタイルアイコン：シェール」

シェール (Cher)

シェール (Cher)

生まれ: 1946年5月20日
出身地: カリフォルニア州エルセントロ (El Centro, California)

主な経歴：

1965年、夫ソニー・ボノと共に「ソニー&シェール」としてデビュー。彼らのデビューシングル「I Got You Babe」は世界的なヒットとなる。
1970年代に入るとソロアーティストとしても成功を収め、「Gypsys, Tramps & Thieves」などのヒット曲を生み出す。
1980年代には「I Found Someone」や「If I Could Turn Back Time」で再びトップチャートを賑わせる。
1998年、「Believe」がリリースされ、シェールはデビュー以来の最大のヒットを記録。オートチューンを使ったそのサウンドは、ポップ音楽に革命をもたらした。
映画にも出演し、『月の輝く夜に (Moonstruck)』でアカデミー主演女優賞を受賞するなど、女優としても成功を収めた。

代表作：

アルバム
“All I Really Want to Do” (1965)
“The Sonny Side of Chér” (1966)
“Gypsys, Tramps & Thieves” (1971)
“Half-Breed” (1973)
“Take Me Home” (1979)
“Cher” (1987)
“Heart of Stone” (1989)
“Love Hurts” (1991)
“Believe” (1998)
“Closer to the Truth” (2013)

代表曲：

“I Got You Babe”
“Gypsys, Tramps & Thieves”
“Half-Breed”
“Dark Lady”
“If I Could Turn Back Time”
“Just Like Jesse James”
“The Shoop Shoop Song (It’s in His Kiss)”
“Strong Enough”
“Believe”
“Walking in Memphis”

トリビア：

1965年、シェールはカリフォルニア州エルセントロ出身の最年少ポップスターとして、19歳で「I Got You Babe」をリリースした。
シェールは「ファッションアイコン」としても知られ、その奇抜な衣装は多くのデザイナーに影響を与えている。1974年のメットガラで披露したボブ・マッキーのデザインは、今でも伝説として語り継がれている。
彼女のシングル「Believe」は、1999年にグラミー賞の最優秀ダンスレコーディング賞を受賞し、オートチューン効果を広く普及させた。
シェールは、グラミー賞、エミー賞、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞している数少ないアーティストの一人である。
彼女は、彼女のステージ恐怖症にもかかわらず、ライブパフォーマンスで多くの観客を魅了してきた。

レビュー：

シェールは、その60年近いキャリアを通じて、音楽、ファッション、映画の世界で絶大な影響力を持つアイコンであり続けてきました。1960年代に夫であるソニー・ボノと共に登場し、当初はフォークデュオとしてスタートしましたが、シェールはすぐにソロアーティストとして独自の道を切り開きました。彼女の初期のヒット曲「Gypsys, Tramps & Thieves」や「Half-Breed」は、エキゾチックな要素とドラマチックな歌詞で彼女の多才さを証明しています。

1980年代には「I Found Someone」や「If I Could Turn Back Time」といったパワフルなバラードがチャートを席巻し、シェールの力強いボーカルとカリスマ性が際立ちました。この時期の彼女は、ただのシンガーではなく、確立されたエンターテイナーであり、様々なメディアで活躍する真のスーパースターとしての地位を確立しました。

特筆すべきは、1998年にリリースされた「Believe」での復活です。この曲は彼女のキャリア最大のヒットとなり、ポップミュージックにオートチューン効果を持ち込んだ先駆者として認識されました。このトラックは世界中のチャートで1位を獲得し、彼女を再びトップに押し上げました。シェールの音楽スタイルは時代と共に変遷してきましたが、その独自性は一貫しており、どの時代にもフィットすることができる柔軟性を持っています。

シェールの音楽は、彼女の個人的な経験や挑戦を反映したものであり、その強いメッセージ性と感情表現が彼女を他のアーティストと一線を画す理由です。彼女は単なるポップスターではなく、時代を超えた文化的な象徴であり、何世代にもわたって多くのアーティストに影響を与え続けています。