【Music Reviews】A Modern Enigma in Pop: Lorde

ロード (Lorde)

ロード (Lorde)

生まれ: 1996年11月7日
出身地: オークランド, ニュージーランド (Auckland, New Zealand)

主な経歴：

2009年: 13歳でユニバーサルミュージックにスカウトされ、音楽業界に足を踏み入れる。
2012年: デビューEP『The Love Club EP』を自主リリース。その後、「Royals」がSNSで話題となり、国際的な注目を集める。
2013年: ファーストアルバム『Pure Heroine』をリリース。『Royals』がアメリカのBillboard Hot 100で1位を獲得し、最年少でグラミー賞を受賞。
2017年: セカンドアルバム『Melodrama』をリリース。批評家から高い評価を受け、グラミー賞にノミネートされる。
2021年: サードアルバム『Solar Power』をリリースし、新たな音楽性を示す。

代表作：

Pure Heroine (2013)
Melodrama (2017)
Solar Power (2021)
The Love Club EP (2012)
Tennis Court EP (2013)
Royals (Single, 2013)
Team (Single, 2013)
Green Light (Single, 2017)
Perfect Places (Single, 2017)
Stoned at the Nail Salon (Single, 2021)

代表曲：

Royals
Team
Green Light
Tennis Court
Perfect Places
Liability
Supercut
Ribs
The Louvre
Stoned at the Nail Salon

トリビア：

彼女の本名はエラ・マリヤ・ラニ・イェリッチ＝オコナー (Ella Marija Lani Yelich-O’Connor) である。
「Royals」は、野球選手のカンザスシティ・ロイヤルズの写真からインスピレーションを受けて作曲された。
ロードは16歳の時点で『Pure Heroine』のすべての曲を共作した。
彼女はデヴィッド・ボウイが「未来の音」として絶賛した数少ないアーティストの一人である。
『Melodrama』のリリース後、ロードは3年近くの沈黙を保ったが、次のアルバム制作のためにニュージーランドの田舎に移り住んでいた。

レビュー：

ロードはそのキャリアの早い段階から、ポップミュージックの概念を再定義する存在となった。2013年のデビューアルバム『Pure Heroine』で彼女は、若者の疎外感や夢と現実の狭間で揺れる心情を、美しいメロディとシンプルながらも鋭いビートで表現した。「Royals」はその象徴的な歌詞とミニマルなプロダクションで、若者文化と消費主義に対する鋭い批評を込めている。この楽曲はポップチャートを席巻し、ロードの名前を一躍世界に知らしめた。

続く『Melodrama』では、ロードはさらに成熟した音楽性を見せる。アルバム全体にわたって、失恋や孤独感、そして再生をテーマにした曲が展開される。プロデューサーのジャック・アントノフと共に作り上げたこの作品は、ポップ音楽の枠を超え、まるで一編の映画のようにリスナーを物語の中に引き込む。その中でも「Green Light」は、強烈なビートと感情の波がぶつかり合う、まさにアルバムの核心を象徴する曲である。

2021年の『Solar Power』は、前作とは対照的に、より穏やかでリラックスしたトーンが特徴だ。このアルバムでは、彼女は自然やシンプルな生活への回帰をテーマにし、新しい音楽的探求を見せている。特に、アコースティックギターを多用したサウンドと、彼女独特の詩的な歌詞が印象的である。

ロードはその若さにもかかわらず、すでにポップミュージックのアイコンとして確固たる地位を築いている。彼女の作品は、どれもが彼女の内面を反映し、その時々の感情や経験を深く掘り下げている。そのため、彼女の音楽はただ聴くだけでなく、彼女の人生を共に歩むような感覚をリスナーに与えてくれる。